Germany, Top of the World -FIFA World Cup Brazil Final-
文・写真:原 悦生
Text & Photo: Etsuo Hara
世界王者はドイツ。
7月13日。リオデジャネイロのマラカナンで行われたワールドカップ決勝は、スコアレスで延長戦にもつれ込んだが、ゲッツェの値千金のゴールで、ドイツが世界王者に返り咲いた。
ドイツは1990年イタリア大会以来、14年ぶりのワールドカップ獲得となった。
アメリカ大陸で開催されたワールドカップでヨーロッパ勢が優勝したのは、初めてだ。
負傷でネイマールを失ったブラジルを準決勝で7-1という練習試合のようなスコアで倒したドイツはメッシのアルゼンチンと当たった。
レーブはクリンスマンの後を受け、2006年7月からからずっとドイツを指揮してきた。
2008年、2012年の2度のユーロはベスト4、2010年のワールドカップは3位、と安定した成績で「世界一」を取れる位置にいた。
バイエルン・ミュンヘンの強さを母体に、経験者と若い力が絶妙にミックスされたドイツの選手層の厚さが、アルゼンチンを上回った形になった。
ゲッツェのボレーは「ペナルティ・シュートアウト」を想定していたマラカナンの観客を歓喜と失望の2つに鮮明に色分けした。
試合後、深夜のリオ。前日から大挙してやってきて、海辺で騒いでいたアルゼンチンのファンは、もうどこかに消えてしまっていた。
ドイツのファンはシュラスコ店で祝杯を挙げていたが、街角に目だったのは手持無沙汰の警察官だけだった。