FC Barcelona “Treble”again
-UEFA Champions League Final-
文・写真:原悦生
Text & Photo:Etsuo Hara
6月6日、ベルリンで行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝でバルセロナはユベントスを3-1で破り5度目のビッグイヤーを手にした。
前日から30度を超す夏のベルリンでスリリングな戦いは行われた。
イタリアメディアは2006年のワールドカップでイタリアがフランスに勝った縁起のいいオリンピアシュタディオンで、ユベントスのベテランGKブッフォンに一つだけ足りないトロフィーのコレクションを描いた。
2006年といえば、ユベントスにとってはクラブが大きく揺れた年だった。いわゆるモッジ事件でユベントスは2つのスクデットをはく奪された。
あれから10年、「貴婦人」はセミファイナルでレアル・マドリードに競り勝って、ヨーロッパの檜舞台に戻ってきた。その栄光の時代を知るものにとっては長い年月だった。
熱狂的なユーヴェンティーノですら、事件後は朝のバルでの会話にブレーキがかかった。おしゃべり好きのイタリア人にとって、これは耐え難い日々でもあった。
一方、バルセロナはウェンブレーでマンチェスター・ユナイテッドを倒してから2シーズンのブレイクで決勝に戻ってきた。バルサはセミファイナル第1戦でペップのバイエルンをKOした。
MSN爆撃機と呼ばれるメッシ、スアレス、ネイマールの3人に加えて、ラキティッチが効果的だった。
バルサはFIFAから外国人年少者との契約を巡ってペナルティーを科されて、新たな補強ができない状況下にある。
とりあえず、1年という形でそのバルサを任されたルイス・エンリケはいきなり3冠だ。
メッシのスピードと切れ味は止められない域に達していた。
ラキティッチの先制。
ユーヴェはレアル殺しのモラタが後半、同点弾を決めたが、スワレス、ネイマールが突き放した。ロスタイム、試合終了間際にネイマールが放ったシュートは地を這うようにGKブッフォンの股間を抜けていった。
見応えのある決勝戦だった。
ベルリンに観戦に訪れたファンも、世界中でテレビを見ていたファンも、ひいきチームの勝敗とは別に、レベルの高い戦いを十分に楽しめたことだろう。
3冠は逃したが、1年でユベントスを決勝まで導いたアレッグリは選手たちを称えた。
3冠を達成したバルセロナは今季公式戦60試合を戦って50勝4分6敗。
ここ10年で4回のUCL制覇だった。