After Madrid Derby
-UEFA Champions League-
文・写真:原悦生
Text & Photo: Etsuo Hara
昨年のリスボンの決勝カード、マドリード・ダービーは、前倒しになって4分の1ファイナルで組まれた。
リーガではおなじみのカードで。最近はアトレティコに分がある。だが、ヨーロッパのステージではリスボンを除けば、1959年の再試合を含むセミファイナル3試合までさかのぼらなくてはならない。
そんな日常ではあって、かつレアな戦いがこのマドリード・ダービーだ。
第1戦は4月14日にビセンテ・カルデロンで行われた。アトレティコはクリスティアーノ・ロナウドを徹底包囲して、アウェーゴールをとられないことに全力を注いだ。CR7は執拗な2人、3人がかりでのプレスに手を焼いた。結果、0-0はシメオネの思惑通りだった。ボールポゼッションはアトレティコ42%、レアル58%。シュートはアトレティコ8(2)、レアル16(8)。
第2戦は4月22日サンチャゴベルナベウで行われた。レアルはマルセロをイエローの累積で欠いた。ベイルもモドリッチもベンゼマもいない。その代わりを務めたのがチチャリートやイスコやペペだった。この試合もまた0-0のまま、延長戦が頭をよぎる時間帯になっていた。
アンチェロッティのキーマンはチチャリートだった。88分の決勝ゴールはクリスティアーノからの折り返しをチチャリートが低い姿勢で決めた。生き残ったのはレアルだった。ボールポゼッションはレアル63%、アトレティコ37%。シュートはレアル23(8)、アトレティコ6(2)。
「決勝でクラシコ」の可能性を残しながら、セミファイナルの組み合わせが決まった。
ユベントス-レアル・マドリード。見慣れたヨーロッパのクラシックな戦いが準決勝に戻ってきた。これまでの1962年から2013年の間に1試合の決勝を含む16戦を戦い、レアルの8勝1分7敗だ。
もう一つはバルセロナ-バイエルン。1996年から2013年の間に8試合を戦って、バイエルンの5勝2分1敗。2013年のセミファイナルではバイエルンが2試合合計7-0で大勝している。注目はペップ・グアルディオーラだ。