【2025年2月16日 FC町田ゼルビア 1-2 サンフレッチェ広島 町田・町田GIONスタジアム】
得点
26分 相馬勇紀(町田)
59分 トルガイ・アルスラン(広島)
77分 中村草太(広島)

逆転ゴールを決めて祝福される中村草太。明治大から加入したばかりのルーキーがJリーグデビュー戦でゴールを決め、広島に勝ち点3をもたらした。

昨シーズン2位の広島と3位の町田。最終節まで神戸と三つ巴でタイトルを争ったチーム同士が開幕節でいきなり激突した。

前半は町田が優勢に。守備でロングボールを制すだけでなく、攻撃のはじまりにもロングボールを活用してペースを掴むと、26分には相馬勇紀が中央をドリブルで突破。川辺駿のスライディングにボールを触られたものの、つつかれたボールをタッチして前進を続け、そのまま左足を振り抜いてネットを揺らした。

昨シーズン、町田は序盤から長らく首位を走っていた。原動力の1人だった平河悠が海外移籍で抜けたものの、クラブは相馬や中山雄太といった日本代表クラスの選手たちを獲得。優勝へのピースとしての期待は大きかったが、なかなか結果を出せずに悔しいシーズンの終わり方を迎えてまった。相馬は試合後、「自分がもっとリーダーシップをとって、チームを鼓舞して、かつ結果も出していかなければならないと感じている」と自覚を口にした。開幕戦から結果を出してみせた今シーズン、相馬はチームをリーグの頂点に立たせるリーダーの1人になろうとしている。

前半は町田のもののまま終わったものの、ハーフタイムを経た広島は修正力を発揮。田中聡(右)と川辺が中盤の圧力を強めて町田のボール保持時の動きが制限されるようになると、マイボールとしてからボールを繋ぐことも可能となっていった。

町田は前半のうちに岡村大八が負傷交代となると、53分には菊池流帆も負傷交代に。前者はドレシェヴィッチとの交代で制空権を維持できていたものの、3バックのうち2人目の交代でバランスを保つことは難しかった。攻撃のロングボールにサイドで絡んでいた望月ヘンリー海輝が守備でも対応する機会が多くなったものの、広島は菅大輝がその位置を縦に進むことで自分たちの戦い方に持ち込み、町田は攻守でボールを収めらなくなっていった。

59分にはトルガイ・アルスランが守備の乱れを逃さずに同点ゴールを決め、1-1に。

町田は押し込まれつつも粘っていたが、強みを増す広島が逆転まで辿り着いた。77分、ジャーメイン良の強烈なシュートは防がれたものの、それが中村草太のもとに。思い切り放ったシュートは相手に当たりながらもゴールに入った。水曜日にACL2のデビュー戦で初ゴールを記録したルーキーが、J1デビュー戦でもゴールを決めた。

逆転した広島は町田守備陣へのプレスの強さを緩めずにペースを渡さず。攻撃でも上手く時間を使い、そのまま勝ち切った。

今シーズンも優勝争いに加わることを確信させる強さを見せた広島が勝ち点3を獲得。ACL2の初代王者と昨年逃したJリーグ王者の2冠を目指すシーズンの行方はどうなるだろうか。