【2024年7月5日 スペイン 2-1 ドイツ シュツットガルト・アレーナ】
得点
51分 ダニ・オルモ(スペイン)
89分 フロリアン・ヴィルツ(ドイツ)
119分 ミケル・メリノ(スペイン)
PK戦に突入するかと思われた119分、スペインのミケル・メリノが決勝ゴール。アシストしたダニ・オルモはマルク・ククレジャに抱きしめられた。
グループリーグから大会随一の好パフォーマンスを披露しているスペインと、開催国のドイツ。ベスト8で激突した両者は激しい試合を繰り広げた。スペインはペドリが早い時間に負傷交代となってしまったものの、ロドリ(写真左)とファビアン・ルイスはこれまで通り中盤に安定をもたらし、両翼の個を活用していった。対するドイツはジャマル・ムシアラ(写真右)の個を積極的に使い、打開を狙った。
ニコ・ウィリアムズ(写真)とラミネ・ヤマルはこの試合でも抜群の存在感。ドイツは彼らのドリブルに対して2人のマークをつかせたが、スペインの両翼は仕掛けるだけでなく早い球離れで中盤に数的優位を作り出した。
ロドリとファビアン・ルイスに加え、左サイドバックのマルク・ククレジャが対人守備で強さを発揮。一進一退の試合は徐々にスペインがペースを握るようになっていった。
0-0で迎えた後半も、前半からの流れは継続。スペインは中央でから攻撃を組み立ててサイドに展開し、ドイツゴールに迫る。
51分には右サイドのヤマルからのボールをダニ・オルモが流し込みスペインが先制。しかし、今大会での現役引退を表明しているトニ・クロースが攻撃をコントロールするドイツは猛反撃を開始した。
チャンスを作りながらも同点ゴールを奪えずに時間が過ぎてゆくと、80分にはチームの精神的支柱であるトマス・ミュラーが登場。ドイツサポーターはボルテージを上げ、場内は異様な雰囲気となって終盤戦に突入した。
89分にフロリアン・ヴィルツがネットを揺らし、ドイツが追いついて延長戦へ。スペインはヤマル、ウィリアムズ、アルバロ・モラタといった前線の選手を既に交代させており、延長戦は勢いづいたドイツが優位に立つかと思われた。しかし、拮抗した展開で進むと、119分にはミケル・メリノが勝ち越しゴール。これが決勝点となり、激戦をスペインが制した。
開催国のドイツがここで姿を消し、クロースはこれが現役最後の試合となった。
敗れたユリアン・ナーゲルスマン監督は「全ての選手が試合に勝つために全力を尽くした」と総括。どちらが勝ってもおかしくなく、両者が勝利に値したハイレベルな好ゲームだった。