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広州恒大の資金力とACL

ルイス・フェリペ

Guangzhou Evergrande Taobauo as Top in Asia

 

文・写真:原 悦生
Text & Photo: Etsuo Hara

 

広州恒大は中国スーパーリーグ4連覇中で、2013年にアジア・チャンピオンズリーグで優勝している強豪だ。

だが、フェリペ・スコラーリの広州恒大監督就任には驚きがあった。

マルチェロ・リッピの後をファビオ・カンナバーロが継いだ形だったので、監督はイタリア路線かと思っていたが、わずか6か月のシーズン途中でブラジル・コネクションに乗り換えた格好だ。

潤沢すぎる資金のなせる業だが、パウリーニョを6月に約19億円で獲得した。8月25日のACL柏戦を見れば、その価値は一目瞭然だ。あれだけ守って、豪快にFKも決めれば、買い物は安いものなのだろう。

2013年からプレーしているエケウソンの契約は2019年まで延長された。

1月のリカルド・グラルの獲得には約21億円を使った。

さらに移籍金がかからなかったロビーニョが「月給1億2千万円」で加わって助っ人は豪華だ。

クラブ中国代表経験者18人を擁して、アジアカップには7人が出場している。

親会社は広州恒大地産集団(恒大集団)という巨大な不動産会社だ。

新華社通信によると、恒大集団の5月の月間売上高には167億元(約2800億円)で中国の不動産会社でトップに立った。前月比10.5%増、前年比41.3%という急速な伸び率だ。

2009年には303億元だった年間売り上げが、2014年には1315億元(2兆2355億円)と4倍以上になった。純利益は120億4千万元(2046億円)と40倍に膨れ上がった。キャッシュ・バランスは143億8千元から595億元(1兆115億円)になった。

「カネは王様」のビジネス戦略は続く。

クラブの株式はアリババが50%を保有し、7月にはクラブの株式(時価100億元)を公開する手続きをとった。

そしてACLではクラブワールドカップ制覇を視野に、1試合ごとに約1億円単位の勝利ボーナスを用意してニンジン作戦を展開している。これだけのニンジンなら馬もよく走るだろう。

アウェーの試合場では、広州恒大を応援するゴール裏のファン全員にスタッフが赤いジャージーを配ってゴール裏を赤く染めている。

育成にも投資していて、レアル・マドリードと提携し、2800人の生徒を抱えて大規模な恒大足球学校を経営している。

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